前回からの続き。
県営住宅だけではなく、市町村営住宅についてはどうかと思い、
代表例として那覇市を抽出して、住戸総数だけをとりあえず確認。
沖縄県営住宅は20,456戸に対して、那覇市営住宅は6,034戸。
ちなみに、那覇市内に立地する県営住宅は2,628戸。
いずれかを対象とするとしても、研究対象範囲の設定に対する考えの提示は必要だろう。
次に、全国から見た沖縄の公営住宅の状況を、どのように読み取れるかを考え、
公営住宅の住戸総数と世帯数を調べてみた。
総務省統計局から発表されている「平成30年 住宅・土地統計調査」によると、
住宅の所有の関係において、「公営の借家」は192万2千戸となっており、
住戸総数に占める割合は3.6%となっている。
沖縄県においては、市町村営住宅まで含めると、公営住宅は39,289戸で、
全国の「公営の借家」の約1/49を占めている。
47都道府県の内の分布としては、それほど違和感のない数値に思える。
しかし、総務省統計局同資料によると、全国の総世帯数が5,400万1千世帯に対して、
沖縄県は57万9,900世帯となっており、約1/93を占めるに留まる。
統計数値上の簡易な検討ではあるが、おそらく沖縄県内においては、
総世帯数に対する公営住宅世帯数が、全国平均よりも高い数値を示すだろうと考えられる。
また、沖縄県内の住戸総数に占める公営住宅の割合は6.0%となっており、
全国からみると、公営住宅の割合が大きいことも分かる。
要因と考えられる事象がいくつか思い浮かぶが、
それについては、公営住宅への入居要件などとの関連性を考察する必要があるだろう。
上記の状況が急激な変化を伴うことは、非常に考え難く、
今後も沖縄県においては、同程度の需要が求められるものと想像できる。
現時点での、入居への応募資格についても整理しておこう。
公営住宅建設の目的として、「住宅に困窮する低額所得者に対し低廉な家賃で賃貸すること」が挙げられており、
2023年1月現在では、以下の7つの条件にすべて該当する者が入居資格を有する。
- 現に同居し、または同居しようとする親族(婚姻予定者等を含む)があること。
注1 単身入居の条件については後述する。
- 申込者および同居親族の所得を合計した月額所得が以下の基準内であること。
一般 158,000円以下であること。(計算後の月額所得)
裁量世帯 214,000円以下であること。(計算後の月額所得)
注2 裁量世帯とは、以下に該当する世帯とする。
・入居予定者全員が60歳以上の世帯
・入居者が60歳以上の者で、同居者が18歳未満の世帯
・小学校就学前の子供がいる世帯
・入居者、または同居者に身体障がい者(1~4級)、精神障がい者(1~2級)、知的障がい者(A1~B1)がいる世帯
・戦傷病者のいる世帯 ・原爆被害者のいる世帯 ・ハンセン病療養所入所者等 ・海外引揚者
- 現に住宅に困窮していることが明らかな者であること。
入居予定者全員が持ち家(共有を含む)を所有していないこと。
- 沖縄県内に住所を有する者であること。
- 県税および個人住民税の滞納がないこと。
- 定められた条件に当てはまる緊急連絡人を準備できること。
- 申込者、または同居親族が暴力団員でないこと。
注1 単身入居(別居中を除く)の条件は以下とする。
資格:60歳以上、障がい者、生活保護受給者、DV被害者(配偶者暴力相談支援センターの証明が必要)
戦傷病者、海外引揚者、ハンセン病療養所入所者等
但し、身体上、または精神上著しい障がいがあるために常時介護を必要とし、
かつ、居宅において、これを受けることができず、または受けることが困難であると認められた場合は不可。
これらの条件を元に、考察に必要な県民属性について調べていこう。
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